2025年7月、Mrs. GREEN APPLEが横浜・山下ふ頭で開催した10周年記念ライブが、驚異の動員数と同時に「音漏れトラブル」で話題となりました。
過去にも山下ふ頭ではイベントが行われてきましたが、なぜ今回に限ってここまで問題視されたのでしょうか?
この記事では、過去事例との比較・音響設計・気象条件・住民の反応などから、音漏れが起きた原因を詳しく解説します。
2025年7月26・27日に、ミセスのデビュー10周年を記念した特別ライブ「MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD~」が開催されました。
これまで山下ふ頭で行われたライブと比べても、最大規模のイベントでした。
過去の山下ふ頭ライブでも数万人規模のイベントはありましたが、今回は2日で10万人超。
単純に「会場内の音圧」が上昇すれば、当然周辺にも影響が出やすくなります。
スピーカーの指向性や配置、音量管理が甘かったと専門家からも指摘されています。
特に重低音成分(低周波)が広がりやすく、「壁や床を通じて響いた」という報告も複数あります。
横浜市は事前に主催側へ「音漏れ対策」を要請していたものの、十分なシミュレーションや現場配慮が足りなかったようです。
ライブ当日は南風が強く、音が内陸へ流れやすい条件が重なっていました。
結果として約15km離れた川崎・大田区方面でも「音が聞こえる」との苦情が続出。
18時~21時という時間帯のため、静かな夜に響く低音がより目立ちました。
振動や不快感を訴える声が多数寄せられ、住民のストレスにつながりました。
SNSや自治体への苦情として、以下のような声が確認されています。
家の中にいてもズンズン響いて落ち着かない
重低音が長時間続き、具合が悪くなった
15km先で音が聞こえるなんて異常では?
港湾局への問い合わせもイベント終了当日から100件以上あったと報道されています。
比較項目 | ミセス2025年ライブ | 過去最大イベント |
---|---|---|
動員数 | 約10万人(2日間) | 1日3〜5万人規模 |
音響設備 | フルセットPA+特大スピーカー | 標準スピーカー中心 |
気象条件 | 強い南風で音が広範囲に拡散 | 穏やかな気象が多かった |
音漏れ対策 | 想定不足だった可能性 | 明確な苦情は少なかった |
横浜市港湾局はライブ終了後、主催者に対して以下のような対応を求めています。
また、ライブを企画したレーベルや制作側も、住民の理解を得る努力を今後は強化していく意向を示しています。
音楽ファンと地域住民が共存できるイベント設計が、これからの時代には不可欠です。
以下のような取り組みが、今後のライブ設営には重要になるでしょう。
Mrs. GREEN APPLEのライブで注目された、音漏れ問題は、単なる「音が大きすぎた」だけではなく、動員規模・音響設計・風向き・低周波といった複合的な要因が絡んだ結果でした。
音楽を楽しむ権利と、静かな暮らしを守る権利。
どちらも大切にするために、主催者・自治体・ファンが協力して「次の一歩」を考える必要があるのではないでしょうか。