「ハローキティ」などのキャラクターで世界的に知られるサンリオが、数年にわたる赤字経営から見事に黒字回復を果たし、注目を集めています。
一時は業績悪化で低迷していたサンリオが、なぜここまでのV字回復を実現できたのか?
本記事では、その背景にある戦略、キャラクタービジネスの再構築、グローバル展開、そしてデジタル化の取り組みについて詳しく解説します。
最後までごゆっくりご覧ください。
サンリオのこれまでの経営状況と赤字転落の背景

● 赤字期の要因
サンリオは2020〜2022年頃、新型コロナウイルスの影響で主要な収益源であるテーマパーク(サンリオピューロランド・ハーモニーランド)が長期間休業を余儀なくされ、来場者数が激減。
さらに、海外事業の停滞、アパレルやグッズ売上の低迷も影響し、赤字が続いていました。
● 主な経営課題
- 収益源の偏り(テーマパーク依存)
- キャラクター活用のブランド価値低下
- デジタル戦略の遅れ
黒字回復の理由は?サンリオ復活の5つのポイント

1. 海外戦略の再構築
北米・アジアを中心に「ハローキティ」「マイメロディ」などのライセンス契約を強化。
グローバルブランドとして再評価され、現地企業とのコラボレーションにより収益が向上しました。
例:
- 米アパレルブランドとの限定コレクション展開
- 台湾や中国での大型ポップアップイベント開催
2. SNS・デジタル戦略の強化
InstagramやTikTokを活用したキャラクターのブランディングに成功。
若年層を中心に再ブームを巻き起こし、グッズ売上や動画視聴数が伸びています。
デジタルコンテンツの例:
- YouTubeでのキャラクターアニメ配信
- VTuber風のキャラクター展開
3. ピューロランドの再生と来場者数の回復
2023年以降、サンリオピューロランドが再稼働し、新たなアトラクションや期間限定イベントを展開。
来場者数が前年比150%と大幅に回復。
施策例:
- 季節イベント(ハロウィン・バレンタインなど)を強化
- フォトスポット・AR技術を活用した体験型施設の充実
4. Z世代向け商品開発の成功
若者の間で“レトロかわいい”文化が再注目されたことを受け、1980〜90年代の懐かしいデザインを復刻したグッズが人気を集めました。
代表的なアイテム:
- キティちゃんのミニバッグやiPhoneケース
- 昭和レトロ風ステーショナリー

筆者も高校生時代などにサンリオをよく愛用していましたが、最近、高校生などが持っている姿を見て懐かしさと嬉しさを感じています!
5. キャラクターIPの再評価とコラボ戦略
近年、キャラクターIP(知的財産)を中心としたビジネスモデルが再評価されており、企業やアーティストとのコラボ商品が話題になっています。
コラボ例:
- スターバックスとの限定タンブラー
- 人気アニメ作品とのクロスオーバーグッズ
サンリオの今後の展望は?


● ESG経営とサステナビリティの推進
環境負荷を減らす素材選定や、再利用パッケージの導入など、エコフレンドリーな企業イメージを強化。
● メタバース・NFT事業への進出
キャラクターをメタバース内で展開する試みや、限定NFTコンテンツの販売にも力を入れ始めています。
● ファン参加型のマーケティング
オンライン投票でグッズを決める、キャラクター総選挙を開催するなど、ファンとの双方向コミュニケーションを拡充。
サンリオ復活から学べるビジネスの教訓
サンリオの復活劇は、以下のような学びを与えてくれます。
- “ブランド力”が低下しても再構築は可能
- SNSとグローバル戦略の融合がカギ
- 危機に直面したときこそ、事業の多角化と柔軟性が必要



サンリオは、根強い人気のキティーちゃんやハンギョドンなど、昔からのキャラクターも今でも愛される可愛さ!娘たちと一緒に楽しめるのも素敵な魅力となりました!
まとめ
一時は経営危機に陥ったサンリオが、ファンの支持と柔軟な経営判断により、見事に復活を遂げました。キャラクターの力だけでなく、時代の流れに応じたデジタル化と国際展開が功を奏し、今後もさらなる成長が期待されます。
キティちゃんの笑顔と共に、サンリオは再び世界を魅了する存在となっているのです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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※本記事は2025年6月時点での報道・決算資料を元に執筆しています。
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