2025年8月4日、世界ランキング4位の卓球・張本智和(はりもと ともかず)(22)選手(トヨタ自動車)が、自身のInstagramストーリーでTリーグの独自ルールに対して、「そろそろ限界」「普通の試合がしたいだけ」「選手への配慮が必要」など、強い言葉で異議を唱えました。
卓球界の第一線で活躍するエースの発信は、大きな波紋を呼んでいます。
この記事では、Tリーグのルールの特色と国際ルールとの違い、張本選手の訴えの背景をわかりやすく解説します。
Tリーグとは?独自ルールの全容をわかりやすく解説

Tリーグは、日本のプロ卓球リーグとして独自のルールで試合を構成しています。
- チームマッチ構成:1試合は3シングルス+1ダブルスの計4マッチ構成。第4マッチ終了時にスコアが2–2の場合、ビクトリーマッチ(延長戦/11点1ゲームの勝負)へ移行します。
- 6–6から最終ゲーム開始:シングルスの最終ゲームは6–6から開始。デュースは原則無し(ビクトリーマッチや最終ゲームなど一部例外あり)。
- 時間短縮ルール:マルチボールの導入でラリー間の球拾いを省略。入場タイム制限(60秒以内)に違反すると警告、時間超過には得点のペナルティあり。
これらのルールは、試合を短くしてスリリングに見せる一方、選手にとっては調整や戦略に負担となる要素として議論されています。
国際基準との違い:WTTとの比較で見える問題点

国際卓球連盟(WTT)が採用する標準ルールとの比較で、大きな差が浮かび上がります。
- 普通は最終ゲームも0–0スタートで、5ゲームマッチでは3ゲーム制で先に制した方が勝ち。すべてのゲームでデュースありが原則。
- 加えて、Tリーグのような延長戦方式(ビクトリーマッチ)や即決ルールは採用されておらず、選手の戦略や流れを反映した勝負展開になります。
つまり、Tリーグのルールはスリル重視だが、結果の再現性や試合の質低下を招く恐れもある、というのが国際的視点から見た違いです。
張本選手の発言全文とその背景

張本選手は以下のように語っています:
「5シーズン、Tリーグの特殊ルールに対応して戦ってきたが、勝てた試合を落とすこともあった。切り替えてきたが、そろそろ限界。普通の試合がしたいだけです」
また、「世界最高峰のリーグを作りたいのに、世界最高峰の選手だけに不利なルールでどうするんですか」とも述べています。
さらに、Tリーグのルールが「トップ選手だけでなく、他の選手たちをも苦しませているのではないか」とも自覚的に指摘しています。
選手・ファンの反応と今後への期待

- 選手たちの実感:Tリーグの試合形式は「緊張感が増す」「スリリング」と評価される一方、試合の流れや対応しにくさを指摘する声もあります。
- メディアやファンの反応:SNSやnote上には「勇気ある発信」「改善へのきっかけに」「選手に寄り添ったリーグ運営を」といった支持の声も多く見られます。
まとめ:選手が“普通の試合”を望むその真意
- Tリーグの独自ルールは、観戦におけるスリルや短時間での勝敗決定を追求しているが、選手目線では調整や中長期的な競技力に制約が生じている可能性があります。
- 張本選手の発信は、日本の卓球界にとって重要なターニングポイントになり得る勇気ある行動です。
- 今後はこの発言を契機として、選手の意見を反映したリーグ運営や、国際ルールとの整合性の模索が進むことを望みます。

卓球ファンの筆者も、卓球はプレーする選手に負担がかからないよう考慮して欲しいと思います。
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