オフィス用品通販・物流大手のアスクル社が、ランサムウェア感染によるシステム障害を発表しました。受注・出荷業務が停止しており、既に注文している商品をどう考えれば良いのか、また「ランサムウェアって何?」という基礎知識から、物流に出る影響、今後の見通しまでをわかりやすく解説します。
■ ラクスルで注文した商品はどうなるの?
まず結論を整理します。
- アスクル社のシステム障害により、現在「受注」および「出荷」業務が停止中です。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
- 注文済み・決済済みの商品であっても、出荷が延期またはキャンセルされる可能性があります。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}
- ラクスル経由の注文も、アスクルの物流網を利用している場合には影響を受ける可能性があります。
つまり、ラクスルで注文済みの商品が「いつ届くか」「届くかどうか」が現時点では明確ではなく、状況によってはキャンセル・返金対応になる可能性もあります。
具体的には:
- 注文をした時点で「出荷情報が止まっている」旨の連絡が来る可能性あり。
- 配送状況が「発送準備中」「倉庫で保留」「出荷待ち」のまま動かない場合あり。
- 最悪、代替サービス・他社物流に切り替えられるか、注文自体を改めてやり直す必要があるかもしれません。
あなたがすべきこととしては、まず「ラクスルの注文詳細画面/アスクルからの案内メール」をチェックし、注文状況が“保留”となっているかどうか
■ ランサムウェア感染とは? わかりやすく解説 「ランサムウェア」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、改めて整理します。 ランサムウェアは、コンピュータシステムに侵入し、データを暗号化・使用不能にし、被害企業に「復旧するための身代金(ランサム)」を要求するマルウェア(悪意あるソフトウェア)です。 :contentReference[oaicite:4]{index=4} 特徴としては: システム内のファイルやデータベースが暗号化され、通常の操作ができなくなる。 企業ネットワークに侵入された後、ファイルを次々暗号化、さらには重要データを外部へ持ち出す「ダブル恐喝」型も増えている。 :contentReference[oaicite:5]{index=5} 被害を受けると、受注・出荷・物流・電話対応など企業の“業務運営全体”に影響が出るケースが多い。 :contentReference[oaicite:6]{index=6} 今回のアスクル社の場合も、10月19日に外部からの不正アクセスを検知し、ランサムウェア感染の疑いがあるシステムの切り離し・ネットワーク遮断を実施しています。 :contentReference[oaicite:7]{index=7} ■ 物流・出荷にどんな影響が出るのか? 物流事業者や通販サイトを使っていると、“注文してから翌日配送”などが当たり前ですが、今回のような障害では以下のような影響が出ます。 ◎ 主な影響項目 受注停止・新規注文不可:アスクルが受注を停止しており、サイト・アプリでの新規注文登録や出荷指示ができなくなっています。 :contentReference[oaicite:8]{index=8} 出荷遅延または停止:物流倉庫の入出荷システム(WMS)が停止しており、倉庫からの発送ができない状態です。 :contentReference[oaicite:9]{index=9} キャンセルの可能性:既に出荷指示済でも、物流が動かないためキャンセル扱いになるケースが報告されています。 :contentReference[oaicite:10]{index=10} 影響の波及:アスクルの物流を利用していた他社(例:無印良品や小売チェーン)でも通販停止などの影響が出ています。 :contentReference[oaicite:12]{index=12} ◎ 今後止まりそうな物流部分 以下のような物流プロセスで影響が出る可能性が高いです: 倉庫からのピッキング・梱包作業(システム管理不能) 発送指示・送り状発行・配送業者への連係(システム停止) 問い合わせ対応・配送状況トラッキング(システム依存) 代替出荷ルートの確保・他社倉庫の利用(再構築が必要) つまり、「いつも通りの流れ」で商品が届くという保証はなく、当面は“遅延”や“中止・返金”の可能性を念頭に置いた方が安全です。 ■ 今後の見通しとアスクルの対応は? アスクル社は発表資料にて以下の対応を公表しています。 :contentReference[oaicite:13]{index=13} 2025年10月19日、ランサムウェア感染を確認・対策本部を設置。 :contentReference[oaicite:14]{index=14} 親会社の LINEヤフー株式会社 や外部セキュリティ企業とともに調査チームを編成し、原因調査・障害対象範囲の特定を実施。 :contentReference[oaicite:16]{index=16} 物流システム(倉庫入出荷を管理するWMS等)を遮断・切り離し、被害拡大抑制を図っている。 :contentReference[oaicite:17]{index=17} 現在は「復旧のめどを公表できない」状況です。全面復旧までには時間を要する可能性があります。 :contentReference[oaicite:18]{index=18} 個人情報・取引先データの外部流出については「現時点では確認されていない」として調査中。 :contentReference[oaicite:19]{index=19} ◎ お客さま(注文者)としての見通し ・短期的には「出荷が停止・遅延」する可能性が高く、いつ届くかが不透明です。
・中長期的には、アスクルがシステムを再構築・復旧し、物流を再開することが予想されますが、代替物流・他社調整などで数日〜数週間以上かかる可能性もあります。
・注文品のキャンセル・返金対応の案内が出る可能性もあるため、注文先(ラクスルなど)からの連絡を待ちましょう。
・今後、新規注文を控えるか、別の倉庫・通販事業者を使う選択肢も検討が必要です。 ■ まとめ:今できること&注意してください 今回のアスクルのシステム障害は、ただの「注文遅れ」ではなく、物流・受注・出荷を一気に停止させる深刻な事態です。 ラクスルを通じて注文/発注をしているお客さまも、影響の中に含まれる可能性があります。以下を実施してください: 注文確認メール・マイページで「出荷状況」がどうなっているか確認。 注文先(ラクスル・アスクル)からの「出荷遅延・キャンセル」の案内をチェック。 緊急で必要な物品がある場合は、別の仕入れルートを検討。 復旧までに時間がかかる可能性を見込んで、今後の仕入れ計画を見直す。 データ流出リスクが完全に否定されているわけではないため、請求書等の確認も怠らない。 物流の「スピード」や「即日配送」が当たり前となった時代だからこそ、今回のようなサイバー攻撃が与える影響は大きく、事業者・利用者とも“備え”が求められています。 注文先として今後も変わらず安心して利用するためにも、状況を注視しながら対応を進めていきましょう。

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