「電気代が株になる」「スマホ代がそのまま株主になるための支払いに変わる」──そんなキャッチコピーで話題となっている、元ZOZO社長 前澤友作 氏が手掛ける新サービス、KABU&(カブアンド)。
ポイントの代わりに“株”を受け取るというユニークなモデルですが、一体どんな仕組みで、どのように“増えていく”可能性があるのでしょうか?また、投資初心者の方は何を知っておくべきでしょうか?
本記事では、KABU&の目的、使い方、仕組み、期待値・リスクをわかりやすく整理します。
1. KABU&とは?目的と背景
KABU&を運営している 株式会社カブ&ピース(以下カブ&ピース社)は、「国民総株主」をスローガンに掲げています。
つまり、日本の多くの人々が株主となり、会社の成長・利益の享受を共有する社会を目指しているというわけです。
従来、株式を持つのは「投資を学んだ」「まとまった資金がある」人が中心でしたが、KABU&は「日常的に使う生活インフラ」を契約・利用するだけで、株の取得機会を提供する点で新しい仕組みと注目を集めています。
背景としては、ポイント還元が飽和・流通しすぎて“ただの割引”にとどまっている中、ユーザーにとって「資産になる可能性のある還元」が求められており、そこに「株を還元する」というモデルを投入したのがこのサービスです。
2. 仕組みをシンプルに説明

「どうやって株がもらえるの?」「どれだけもらえるの?」という点を、投資初心者にもわかりやすく整理します。
2-1. 利用サービスを契約・利用する
対象となるサービスは現在、以下のような生活インフラ系です:
- 電気(例:KABU&でんき)
- ガス
- モバイル通信(スマホ)/光回線インターネット
- ウォーターサーバー
- ふるさと納税
2-2. サービス利用に応じて「株引換券」が付与される
サービスを利用した支払い額に応じて、ポイントの代わりに「株引換券」という電子チケットのようなものが付与されます。
この株引換券を、一定の手続きにより同社の「未公開株」と交換できるという流れです。
2-3. 未公開株を持つことで“増える可能性”が生まれる
株を手に入れた後、次のようなシナリオで「増える可能性」があります。
- カブ&ピース社が成長し、評価額が上がる。
- 会社が将来上場する(IPO)などのイベントが起きる。
- 未公開株が売買可能になったり、流動性が出て価値が明確になる。
つまり、日常生活の支払い → 株式取得 → 会社成長 → 株の価値上昇、という「サービス利用を通じて資産形成」への道を設定しているわけです。
3. 現在の運用状況・還元率・注目点
いくつか現時点で確認できる運用情報や仕様を整理します。
3-1. 還元率と会員制度
還元率はサービスによって異なりますが、記事では「通常会員で約1%、プラス会員で2%」という数字も紹介されています。
また、月額500円(2025年時点)で「KABU&プラス会員」となり、株引換券の付与が通常の2倍になる制度もあります。
3-2. 対象サービスの拡大と収益源
事業モデルとして、これからネット回線、スマホ、光サービス、ウォーターサーバー、さらにはふるさと納税等まで提携を広げています。
生活インフラという“毎月支払いが発生する”サービスを軸にしているため、顧客の継続利用=同社の収益基盤が拡大、という構造を狙っています。
3-3. 上場(IPO)予定と「出口」シナリオ
カブ&ピース社では、自社株を利用者に配りつつ将来的に上場を目指しており、上場時に株価が大きく飛躍することが“増える”ための鍵となります。
4. 投資初心者が知っておくべきポイントとリスク
初心者として「株=これは投資だ」という認識を持つことが重要です。
以下に、メリットと注意点を整理します。
4-1. メリット
- 普段使っているサービスの支払いが“資産形成”に変わる可能性がある。
- 株の所有には少額から参加できるモデルで、株初心者でも株主体験がしやすい。
- 企業とユーザーの関係性が強まり、サービス利用者が“会社を育てる”という感覚を持てる。
4-2. 注意すべきリスク・弱み
- もらえる株は「未公開株」であり、上場するかどうか、またいつ上場するか、株価がどうなるかは未確定です。
- 株主としての議決権がない「種類株式」の可能性があり、通常の株式とは異なる権利が付与されているケースがあります。
- 利用料金が割高になる可能性があるため、「サービスを切り替えて還元分で元を取れるか」を慎重に確認する必要があります。
- 流動性(売買できるかどうか)が低い可能性が高く、早期に現金化できない場合があります。
4-3. 初心者に向けたチェックリスト
- サービス利用料が今の契約と比べて支払い増になっていないか?
- 株引換券の還元条件・還元率が明示されているか?
- もらえる株の仕組み(未公開株・種類株・議決権の有無・上場予定)が明確か?
- 「元本保証」ではないことを理解しているか?株価が下がるリスクがあることを理解しているか?
- 自分がこの株をもらってどうするか(長期保有するのか、サービス利用を通じて株数を増やすのか)を考えているか?
5. どのように“増えていく”か?仕組みの理解
株が“増える”とは、数が増えるという意味だけでなく、価値が増える可能性があるという意味でもあります。
KABU&の文脈で「増える」とは以下のような流れです。
- ユーザーが提携インフラサービスを利用 → 株引換券を獲得
- 株引換券を未公開株に交換 → 所有株数が増える
- カブ&ピース社が事業を拡大・収益基盤を強化 → 企業評価が上がる
- 会社が上場、または株流通が活発になる → 所有株の価値が上昇 → “増える”
つまり、株をもらっただけで終わるのではなく、「会社成長」と「出口(上場・流通化)」が実現されて初めて価値が“増える”というモデルです。ポイント還元とは異なるのは、この「価値が上下する可能性を含む」という点です。
6. まとめ:初心者がまず抑えるべきこと
KABU&は、普段日常的に支払っている電気代・ガス代・モバイル料金などを“株を得る機会”に変える革新的なサービスです。
資産形成への第一歩を気軽に始められる可能性があるため、株式投資に興味を持ち始めた初心者にとって非常に魅力的な選択肢とも言えます。
しかしながら、ポイントと混同してはいけません。
「株をもらえる=必ず利益が出る」ではなく、あくまで“未公開株を取得する”モデルであり、会社の成長・上場等の条件が揃わなければ価値が上がらない・現金化できないというリスクも内包しています。
投資初心者の方は、まず「サービス利用料が割高にならないか」「株引換券の条件は明示されているか」「自分が株を保有した後の戦略を持てているか」を必ず確認してください。
そして、株数を増やすためだけでなく、株価の価値上昇という本質的な“増える”仕組みに目を向けましょう。
最後に、KABU&を検討するなら「日常支出をそのままサービス切り替えできるか」「株をもらった後に長期保有する覚悟があるか」を自問し、焦らずじっくりと情報を整理のうえご判断ください。

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