TOEIC(トーイック)といえば、英語力を証明するための定番の資格試験。
就職・転職・昇進などで重視されており、年間200万人以上が受験しています。
しかし2025年、中国籍の受験者による不正受験問題が発覚し、大きな波紋を呼んでいます。
本記事では、TOEICの運営体制や試験方法、不正が起こった背景と手口、今後の対策まで詳しく解説します。
TOEICとは?誰が運営しているのか?
TOEIC(Test of English for International Communication)は、英語を母語としない人のビジネス英語能力を測る国際的なテストです。
- 運営団体:ETS(Educational Testing Service/米国)
- 日本での運営:IIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)
- 試験形式:リスニング(45分)+リーディング(75分)=合計990点満点
TOEICは世界160ヵ国以上で実施され、大学入試・就職・社内評価に幅広く使われています。
今回の中国籍による不正受験とは?

2025年6月に明らかになった不正は、中国籍の受験者が他人名義でTOEICを受験していたというもの。
以下のような手口が確認されています。
主な手口
- 本人の代わりに別人が受験(替え玉受験)
- パスポートや身分証の偽造
- 試験内容の事前取得(SNS・闇市場での情報流通)
これにより、実際の受験者は英語力がなくても、高得点のスコアシートを取得し、企業や教育機関に提出していたと見られます。
なぜ不正が可能だったのか?

1. 本人確認の甘さ
TOEICの受験時には、顔写真付き身分証明書の提示が義務付けられていますが、
- 会場スタッフの確認が形式的だった
- 顔写真と実物が似ていれば通ってしまう
といった運用の甘さがありました。
2. 試験会場の人員不足
地方会場では、受験者数に対して試験監督が不足していたり、経験の浅いアルバイト監督者も多く、見破ることが難しかったケースがありました。
3. 闇市場によるスコアの売買
一部のSNSや外国語コミュニティサイトでは、スコア取得代行や解答集の違法取引が行われており、それが中国系組織を通じて流入していたと見られています。
今後の再発防止策は?

不正対策として、IIBCとETSは以下の対応を検討中または実施予定です:
- AI顔認証の導入(試験会場での本人確認強化)
- 受験履歴の記録と比較(不自然な高得点者をフラグ)
- 国籍・在留資格確認の厳格化
- 試験会場の監督官配置とトレーニングの見直し
- スマホ持ち込み完全禁止・監視強化
今後TOEICを受ける方が注意すべきポイント
- 身分証は有効期限内か?
→ 有効なパスポート・運転免許証などを必ず持参。 - 会場での注意事項を事前確認
→ 時間厳守・持ち物・服装も重要。 - 不正は絶対にNG!
→ スコア無効・受験停止処分・進学・就職への影響も。 - 自分の力でのスコアアップを!
→ 英語力が本当に身についていないと、社会で通用しません。
TOEICの信頼性を守るために
TOEICは、多くの人の努力の証であり、信頼される評価制度です。
今回のような不正によって、その信頼が損なわれるのは極めて残念なことです。
英語力を証明するためにも、私たち一人ひとりがルールを守り、正しく受験することが求められています。
まとめ
- TOEICは米ETSが開発、日本ではIIBCが運営
- 2025年に中国籍受験者による大規模な不正が発覚
- 替え玉受験・偽造ID・解答流通などが問題に
- 再発防止策としてAI認証や監督強化が進行中
- 今後の受験者は正しい準備・意識でのぞむことが大切
TOEICで高得点でも実際には英語が話せなかったりと、不正受験による影響が問題視されていただけに、学力の評価として取り入れる学校、企業も多いので、今後の対策を期待したいと思います。
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